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花子の孫・村岡美枝氏が“花子とアン”を語る 「祖母の翻訳の味を再確認できた」
MSN エンターテイメント-2014年5月9日

 現在放送中のNHK連続テレビ小説『花子とアン』のモデルとなった、吉高由里子演じる翻訳家・村岡花子氏の孫で、自らも翻訳家として活躍している村岡美枝氏が“花子とアン”について語った。

 祖母である花子氏と同じ翻訳家としての道を歩く美枝氏だが、亡くなったのが小学3年生の時ということもあり、翻訳や文学について語り合った思い出は残念ながらないのだとか。しかし、アメリカで幼少期で過ごし、英語が身近にあったことや、花子氏からいろいろな本を読み聞かせてもらったことが、翻訳家を目指す基盤となったことは間違いないだろう。


村岡花子氏の孫で翻訳家の村岡美枝氏(ハリウッドチャンネル)  2014年5月9日 17時30分



 そんな二人がシンクロしたのが2008年。“Anne of Green Gables”(赤毛のアン)出版100周年に当たるこの年、花子氏が翻訳を手掛けた新潮文庫から出版されたアン・シリーズ10巻の訳文の見直しを、美枝氏が任されたという。「アンの物語は大人になってからも何度も読んでいましたが、原文と照らし合わせながら全てを読み通したのはそのときが初めてでした。『ここの表現、上手いな』と思うところもたくさんあり、祖母の翻訳の味を再確認する楽しい時間でした」と振り返る。10歳そこらで親元を離れ、空想に耽りながら、自由に生きたアンと花子氏。共通点の多い二人だからこそ、「祖母が女学校時代に友と交わしていた柔らかな言葉の響きが、アンの声となって聞こえてきたのではないかと思います」とも。

 現在は残念ながら休館中ではあるが、花子氏の書斎を再現した場所を「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」として、蔵書や原稿・愛用品を保存。今後は「おもしろい作品との出会いを求め続けたい、そして翻訳できたらいいなと思います。それと同時にこれからも祖母の仕事を大事に守っていきたいと思っています」と抱負を語った。

 花子氏との思い出も話してくれた美枝氏インタビュー詳細は、翻訳の専門校フェローアカデミー公式サイトにて掲載中。